第１話 ページ2
「A、笑って。はいチーズ」
僕は母に言われていつもの作り笑顔をした。
パシャ
今日は高校の入学式。
空は快晴で太陽が少し眩しい。まるで僕らが入学するのを歓迎してくれているようだ。
僕は「入学」と書かれた大きな看板の左横に並んで、母に写真を撮ってもらう。
何人かが写真撮影をしている僕をチラッとみて、微笑しながら去っていく。
きっと僕が優れた容姿を持っているからだ。自分で言うのも何だけれど、正直僕はかっこいい。
写真を撮り終わったので、僕達家族は帰ることにした。
歩き始めた時、父に急に背中を叩かれて僕はビクッとする。
「Aは本当に凄いよな。県で一番有名で賢いこの高校に入学できるなんて」
父さんは何だか焦るように言う。当たり前だろうと僕は口の中で言った。こんなことを口に出してしまっては良い子でいられない。
僕は容姿も勉強も、おまけに運動だって全てが優秀だ。僕こそ完璧と呼ばれるに相応しいと自負している。
だが、一つだけ僕にも悩みがあった。それは、身の回りのものに興味がないということ。そのせいで僕は自分を磨きすぎてしまった。自分を磨くことだけが僕の趣味だ。
「待って、最悪なんだけどー。全然この写真の私イケてない！もう一回撮って！」
後ろの方から甲高い女の声がした。僕の後ろに並んでいた子だろう。
声だけで分かる。あいつは僕と違って適当に人生を生きているような奴だ。僕はああいう種類の人間が一番嫌いだ。
でも、彼女は僕と違って人生を楽しく過ごしているのだろう。
周りになんだかんだ愛されて、友達がいて、どうでも良いようなことで盛り上がれる……。
僕があのような人間が嫌いなのは、羨ましいからなのだろうか。
その時、ふと孤独を感じた。
考えている内に歩幅が小さくなっていたようだ。母も父も僕より少し前を歩いている。
僕は二人を追うように少し早歩きをした。
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アリス(プロフ) - 好きぃ…(^q^)というか話の内容が共感しか無い。僕は作り笑いと愛想笑いのプロだからね！(笑) (4月13日 20時) (
レス) @page3 id: 36b57db8a9 (このIDを非表示/違反報告)
直♀(プロフ) - お話作るの上手過ぎない！？応援してるね！ (4月13日 17時) (レス) @page3 id: cbcc3bbbe5 (このIDを非表示/違反報告)
あるかろいど有機(プロフ) - わぁぁ！どんどん裏人間さんの活動範囲が広がってて超感動してます…1話だけで分かる神小説感！応援してます！ (4月6日 20時) (レス) @page2 id: 2f84a9ae4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裏人間 | 作成日時：2024年4月6日 18時
