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you side
臣さんはなぜだかこの日を堺に毎日帰ってくるようになった。
夜遅くても日を跨ぐ前には必ず帰ってきて、
私もリビングで待つようになった。
「ただいま」
『おかえりなさい』
この言葉を交わすと臣さんはバスルームへ...
私は自室に戻って就寝...
これが当たり前になっていた。
今日は居酒屋のバイトday
週に多くて3日程度...
仲の良い先輩の優希くんとも1ヶ月に一回程度バイト終わりの、ラーメン通いを続けていた。
「今日行こうよ」
ラーメンを食べる仕草を見せる優希くんに"了解"と手を敬礼して見せる。
バイトが終わって何度食べても飽きない、いつもラーメン。
『...おいしー』
噛み締めるように食べる私に
「ほんと美味そうに食べるなー。可愛いなー。」
妹を見る目のような優しい眼差しに
『見ないで』
恥ずかしくて笑いながら少し拗ねて見せた。
食べ終わるといつもマンションまで散歩がてらに歩いて帰る。もちろん優しい優希くんはマンション下まで送ってくれて...
またね、って手を振ろうとすると
「A」
いつもとはニコニコ笑顔が消えた優希くん...
『なに?』
「今度バイトが休みの日に遊び行かない?ラーメンじゃなくて...」
少しだけ気まずそうな優希くん。
いいよ?どーしたの?
って言葉に出そうとすると...
「A」
優希くんに向かいあってた私はぐるりと視線が回転して
誰かに抱きしめられた。
誰かに...って包まれた香りで、声で、誰かなんてすぐに分かる。
『...臣さん』
「ただいま」
そう言って私の唇にキスを落とした。
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作者名:青空 | 作成日時:2024年3月26日 1時