検索窓
今日:13 hit、昨日:4 hit、合計:480 hit

三話 ページ3

「へぇ…いや、お見事お見事。」

『…ボクのおねえちゃんを返して。』

「あは、言われなくともすぐ戻ってくるよ。」

振り返るとおねえちゃんが、がくり、と力が抜けたように倒れていた。

『おねえちゃん!』

「っ、あ、こさめ?って、貴女、誰ですの?」

「ああ、私は𠷡野詩子。ついさっきまであなたを洗脳してたヒーローだよ。」

にっこり笑って答えていたが、おねえちゃんは反対に今にも殺しそうだ。

うん。ボクもあのオネーサン殺しちゃいたい!

「まぁ、話を聞いてくれない?殺すかどうかはその後に決めておくれよ。」

『な、なんで…!』

「わかりました。よろしいでしょう。」

『おねえちゃん!?』

「はは、じゃあ話をしよう。私はね、君達に協力したいと思っている。」

『え、』

「元から私はヒーローが好きじゃない。どちらかと言えばヴィランサイドだ。
だからヴィランとしてまだ幼い君達の手助け、スパイをしたいと考えている。」

何を言い出すかと思えば、ボク達の協力をしたいだなんて。

「ああ、言い忘れていたね。
私の能力は洗脳。相手を十分間洗脳できる。クールタイムは十五分間。
簡単に言えばヤな奴にしか通用しないんだよ、この能力は。」

「へぇ、随分強力ですのね。」

正直言うと、心からありがたかった。

んは、ヒーローを潰すのにこれ程いい仲間はいるかな。

『ねぇ、オネーサンはなにを成し遂げたくて生きてるの?』

「へぇ、中々難解な事を言うね。しかし、私が答えるのは君達の後だ。」

『むぅ…ボク達はね、汚い大人を処分して綺麗な子供だけの世界を作りたいの。』

「ほぉ、私はどうなるのかい?」

『うぇ、難しいなぁ…まぁオネーサンは汚くないからいーの!』

あ、そうだ。

『じゃあ、オネーサンは?』

「…はは、私はね、汚い人間関係を消したいのさ。純粋な子供にそんなものはない。私は、君達を手伝おう。」

「…ええ。感謝いたしますわ。」

「さて、私は君達の名前を聞いていないねぇ。」

あ、忘れてた!

だってまさか仲良くするなんて思っても見なかったんだもん!

『ボクは雨色こさめ!悪天候を操る能力だよ!みて!このレインコートと長靴と傘!おねえちゃんとお揃いなの!』

「うふふ。わたくしは雨色しぐれ。同じく悪天候を操る能力ですわ。うふふ!この服装全部こさめとお揃いですの!」

「んー、可愛いなぁ、君達は!流石子供は違う!」

えへへ!ボク達、褒められちゃった!

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←二話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:ワナビー・ヒーローズ   
作品ジャンル:アニメ, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

バニー芳一(プロフ) - 親を手にかける決心をした時のしぐれちゃんを思うと……素敵な作品をありがとうございます、今後も楽しみです (4月16日 19時) (レス) @page1 id: e2dede88a8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:レインコート  | 作成日時:2024年4月14日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。