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番組終了後___
TETSUYAは関係者への挨拶等で連絡がつかない状態なので、Aは1人で衣装の片付け。これも、よくある事だった。
"SnowManのパフォーマンス最高すぎたし"
先程の余韻を楽しみつつ、1人1人の衣装を丁寧にハンガーに掛けてく。
ふと部屋の隅に目をやると、ポツンと置いてあるトルソー。
キョロキョロ辺りを見回して誰もいない事を確認すると、小走りでトルソーを取りに行った。
ジョイント部分で高さを175センチくらいに調整すると、康二の衣装を着せてみる。
そして、おもむろに抱きつく。
「はあぁ〜〜好きっ…」
まぁ、いつもの事ですが危ないヤツだ…
「ん…なんかいい匂い…」
康二の残り香をしばし楽しむ。
こんな姿、誰にも見せられないや…
トルソーの首に腕をまわして胸のあたりに顔をうずめる。
「…好き…康二くん…」
危ない通り越してなんだか切なくなってくる_____
「……………ん?」
何か固い物が顔にあたる感触。
ジャケットの内ポケットを見てみると、リップクリーム。
"こうじリップなくしがち"
まさに、それな。
どうしようか迷ったけど、鞄の中にそっとしまった。
危なげな形?で康二を堪能したA。
康二の衣装をトルソーから脱がせハンガーに掛けると、全員の分と合わせて社用車まで運ぶ。
ここでTETSUYAに連絡を入れてみる。
R R R R……
「俺やで」
わりとすぐに出た。
「あ、TETSUYAさん。今もう衣装、車まで持ってきたとこなんですけど、TETSUYAさん今どんな感じですか?」
「俺もうちょいかかりそうやから、悪いけどA1人で事務所に衣装運んどいてくれへん?そのまま帰ってくれてかまへんから」
「はい〜了解です」
まぁこんなのもよくあるパターンだ。
TETSUYAは人と話すのが好きなので、きっと今日も番組関係者か誰だかと話し込んでるんだろう。それで、新しい仕事を取り付けてくる事もよくあるのだけど。
LOVE TRIGGERを聴きながらTETSUYAのオフィスへと車を走らせた。
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作者名:ミズ | 作成日時:2024年3月24日 19時