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さっくんとお喋りしていると、階段を降りて来る足音がする。



向「俺も混ぜて〜」



足音の主はコージさん。
見た感じ、服もそのままで髪も濡れてない。



佐「あれ?康二風呂はー?」

向「2階使おうとしたけどしょっぴーが入っとった。」

阿「流石ゆり組…お風呂のタイミングまで被るとは…」

「ゆり組?」

佐「ああ気にしなくていーよ。
阿部ちゃんのあれは通常運転だから。」



リモコンをポチポチしながらさっくんはアニメを物色している。「うわ〜どれから観せよっかなあ!」ってウキウキしてて子どもみたい。



向「オアシスちゃんは…」

「Aです。椿A。」

向「ああ!Aちゃんな!」



変な呼び名が浸透して貰っちゃたまんない。
定着する前に本名覚えて貰わないと。



向「俺も自己紹介しとこか!
どうも!みんなの万能調味料こと塩麹よりも向井康二です!」

「ふふっ なにそれ〜」

向「お!掴みバッチリやん!これ覚えやすくてええやろ?」



クスクス笑う私に、「康二のそれでそんな笑ってんのAちゃんくらいだよ」ってさっくんから厳しい言葉。
結構面白いと思ったんだけどなあ。



向「Aちゃんはこれからどうすんの?」

「これから…と言いますと、」

向「せやから、長いこと付き合ってた彼氏がろくでもない奴やったんやろ?まさか…見逃したるとか?」



…そうだった。このお家にお邪魔するまで怒涛の展開だったせいで、彼の浮気現場に遭遇したのが遠い昔のことのように感じるけど、数時間前の出来事だ。



「ちょっとまだ自分の中でも整理出来てないんですけど…別れようとは思ってます。」

佐「さっき宣言してたもんねー車ん中で」

阿「でも辛かったね。昨日今日の付き合いじゃないんでしょ?」



いつの間にか阿部さんもペンを置いて会話に参加している。勉強の時は眼鏡をかけるらしくて、眼鏡の奥から私を見つめる瞳は心配の色が見えた。



「付き合ってたのは3年だったけど…出会いから言えば10年になるので…辛くないと言えば嘘になるかもです」



高校生の頃に出会ってそれからずっと私の片想いだった。バイト先が同じで、向こうが大学を卒業する頃に付き合って…1年前から同棲を始めて、結婚だって意識してなかったわけじゃない。だからこそ裏切られていたことがただただショックなのだ。



「でもそろそろ潮時かなーとは思ってたんで!」

向「…なんかごめんな?ビール飲む?」

佐「だからこれ以上飲ませんなって!」

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あむ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!暖かいお言葉嬉しいです^ ^更新がんばります! (3月27日 13時) (レス) @page34 id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お話の流れと展開が好きです (3月26日 21時) (レス) @page36 id: 5ebabfabca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あむ | 作成日時:2024年3月18日 23時

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