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ところで一体これはどういう状況なんだろうか。
隣に座るさっくんはやっぱり何も心当たりが無いようで呑気にココアをふーふーしてるし。
さっくんの正面に座っているひかる?さんは相変わらず難しい顔だし…
岩「…どう言えば良いか…」
佐「てかそもそもこれなんの時間?
俺ちゃんと連絡したじゃん!」
岩「連絡は来てたけどおまえの言い方が悪い。」
佐「えー?これの何がいけないの?」
さっくんが開いたトーク画面を見せて貰うと、
「『迷子連れて帰ります』…?」
私、迷子?
っていうか言葉が少ないというか…これじゃあ何も伝わらないような…
すると足元に何かふわふわした感触。
ん?と思って目線を下に向けると、パチンと視線が合って。
「ねっ…!」
ミャーって可愛らしく猫が鳴いた。
岩「…それも佐久間が連れて来た"迷子"。」
佐「ツナだよ〜可愛いっしょー!」
岩「あっちで丸くなってんのもそう。」
ソファーの上。
言われてよーく見てみると、クッションやぬいぐるみに紛れてひとつだけ規則正しく上下する丸い塊があった。
佐「シャチだよ〜可愛いっしょー!」
いつの間にかツナさんを膝の上に乗せて笑うさっくんは能天気すぎて、今日何度目かのため息をついた。
「あ…これってこの子たちの柄?」
さっくんのマグカップとツナさんを見ると同じような柄をしているし、ソファーの塊さんも丸まってて全貌は分からないけど、私のマグカップの柄と似ている気がする。
佐「そー!見つけた時感動しちゃって〜」
岩「マグカップの話はいいから。」
ピシャン!と言われてハッとする。
さっくんと喋ってるといつもこう。すぐ脱線しちゃう。
「すみません…」
岩「いや…佐久間が悪いんで。」
佐「えー?なんで?連絡入れたし部屋も空いてるしなんも問題なくね?」
唇を尖らせてブーブー文句を言うさっくん。
ツナさんの前足を持って「そうだそうだー」なんてアテレコしてる。
岩「まず、あれは連絡のうちに入んない。
今うちに居るのはこの2匹だけですけど、他にも今までしょっちゅう迷子呼ばわりして佐久間が動物を連れ帰って来るってことがあって…」
「あ〜…」
なんと言うか…らしすぎて。
岩「そもそも迷子連れて帰って来るのはツナとシャチで終わりって言ったよな?」
佐「だぁってほっとけないじゃん!なー?ツナぁ」
ニャーンってお返事してる…!かわい…って、
「や。私そもそも迷子じゃないです…」
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あむ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!暖かいお言葉嬉しいです^ ^更新がんばります! (3月27日 13時) (レス) @page34 id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お話の流れと展開が好きです (3月26日 21時) (レス) @page36 id: 5ebabfabca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ | 作成日時:2024年3月18日 23時