短編集【d】【npl】 (ページ46)

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透明は冷めた孔雀色/rp ページ46

幾つかあるうちの課題を選んで調査して、論文を発表する、なんて授業に当たってしまった。

幸い1人でやるわけではなく、隣の席の子と2人で課題を進めていくらしく、少し安心した。

｢ふーん、レパロウくんとペアか…よろしくね｣

面倒くさそうに答える隣の席の子、A…だったっけ。

｢よろしくお願いします。Aさん｣

人当たりのいい笑顔で答えても、Aはうん、と素っ気なく答えるだけだった。

…俺、結構周りからの評価には自信あったんだけどなあ…？
もっと嬉しそうにしない？普通さ。
そうじゃなかったとしてもさあ、愛想良くするもんじゃないの？二人でやってくんだしさ。

んー、なーんか、気に入らない。

モヤモヤする気持ちを隠して、優しく話しかける。

｢課題の内容何にしましょうか？俺的にはこっちのAが興味あるんですけど…｣

｢ふーん…ならBにしよ。中身似てるし、この内容の方が各々調べれば良さそうだよ｣

ぱらぱらと課題のリストを見ながら俺の意見を否定される。

…あー。そういう感じ。

それから、俺の出す提案はほとんど却下された。

Aの話す案は、正しいは正しいんだけど…面白くない。

言うこと聞かなくて、くそ生意気で、ムカつく。

ちらりとAの顔を覗き見る。

…顔は、悪くない。体も。

見た目はむしろ有りな方。

うん…あとはこの性格を変えれば、めっちゃいいんじゃない。

俺の言うことなんでもきく、お人形になってくれれば…。

フツフツと、人としては凡そ良くないであろう考えが、滲み出てきた。

この生意気で仕方ないAを、俺好みにしてやろう。

可愛い可愛いお人形に、仕立て上げてやろう。

口元が歪むのを必死で堪え、今後の話も楽になる、と言い訳をつけ、連絡先を交換する。

楽しみな未来を想像して、思わず舌なめずりをした。