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〃 ページ45
いつもの通り、2人で遊んだ帰り道。
いつもと違い、手を繋ぎながら歩く道。
俺より少し高い体温と、小さな手に心臓の動きが早まる。
｢好き…｣
つい、口から零れた告白。
Aは目を見開いて俺を見ていた。
ムードも何もない、こんな道中だけど、言ってしまったものはしゃーない。
俺はしっかりAの目を見つめ、伝える。
｢A、好き。付きおうてください｣
1秒、2秒と沈黙が続く。
Aは下を向いてしまって表情が伺えない。
少し屈み、顔を覗き込めば、歪められた顔付きがそこにあった。
｢ごめ…そういうの、考えてない…｣
｢は、ぁ…なんで、え？｣
小さく細い声で、気持ち悪い…と呟いたA。
言っている意味が理解出来ずにAの肩を掴み、必死で問うが、Aは顔を青くさせながら眉間に皺を寄せるだけだった。
｢なんで、なん？｣
俺のこと、好きじゃなかったん？
思わず漏れた俺の言葉は、その空間に響かずに消えていった。
この隙間は埋まらない
｢ゾムさんのこと好きなら、告白などはしないんですか？｣
｢あー、無理、付き合えないな｣
｢え、何故…？｣
｢私、自分のこと恋愛的に好きな人、嫌悪感持っちゃうんだ…蛙化現象、っていうんだって｣
｢蛙化…｣
｢うん。私の事好きなんて、気持ち悪い…だから、ゾムには片思いしてるままが、1番幸せ｣
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作者名：ビリヤニ | 作成日時：2024年1月18日 19時
