君だけの為に/sgr VD ページ31
今日、2月14日はバレンタイン。
…恋人とイチャイチャ出来る日、だと信じてる。
Aがバレンタインのお菓子を持ってきてくれたまではええんや、うん。
｢ハッチさん、これあげるー｣
｢ありがとー｣
｢しゅーさんにもー｣
｢ありがとうございます｣
…何あれ。
彼氏の家来て彼氏放置で他の奴等にお菓子渡してるってどういうこと？
ああ、なんやモヤモヤする。
｢すぎる、どしたの｣
｢蘭たん…｣
｢さっきからぶすっとしてさー｣
｢あー、まあ…｣
蘭たんが話しかけてきてくれたが、その手に握られている袋を見つけてしまった。
もやもやと、また何かが胸につっかかる。
蘭たんの話しも半分くらい聞けていない。
｢はぁ、もしかしてAのこと？｣
｢っうえ！？｣
いきなりAの名前を出されて驚いた。
…バレてもうた。
隠してたつもりやったんけどな…一応。
｢顔に出過ぎ、同様しすぎ、分かりやすすぎ｣
｢…そんな、出てた？｣
｢そりゃあもう。不機嫌100％だったし｣
｢う…｣
そんな分かりやすかったっけ、俺…。
何だか一方的に気まずく感じてしまい、目を伏せる。
｢すぎるー！｣
｢あ…｣
｢さて、俺は退散しようかな｣
Aが俺の方に来た瞬間、蘭たんは皆のところへ行ってしまった。
｢あれ、蘭たんいいの？｣
｢あー、うん。で、どしたん？｣
｢あのね、すぎるにこれ。バレンタイン｣
そう言ったAの手に持たれていたのはピンク色の袋。
他の皆と違うラッピングについ、顔がにやけた。
｢ありがとなぁ｣
｢さっき不機嫌そうだったけど、どうしたの？｣
｢え？あー…｣
何だか気恥ずかしくて、言葉を濁す。
それとなく誤魔化して、先ほど貰った袋を開ける。
すると、大きなハート型のクッキーが数枚入っていた。
そしてAは笑顔で言った。
｢あのね、ハート型なのはすぎるだけなんだよ！｣
君だけの為に
思わず顔が赤くなった。
そんな俺を見て皆がからかうけど、気にならなかった。
君と二人で半分こ/ci VD→←貴方にも猫にも同じ愛を/8 VD
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作者名：ビリヤニ | 作成日時：2024年1月18日 19時
