短編集【d】【npl】 (ページ20)

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窓から日差しの差し込む昼間。

笑いながら小説を破り合う私達は、とても奇怪だろう。

ヒラヒラと落ちる紙吹雪たちが、花びらのようにも見えた。

まるで、ダンスを踊るように小説を破いた私達の足元には、

紙吹雪で小さな白いベッドができていた。

千切れた物語達を足蹴にシッマを見れば

シッマも私を見つめていた。

濡れた瞳がキラキラと輝いていて

どちらからともなく、その白いベットの上でキスをした。

｢好きやで、A｣

｢私も、好き｣

呟くように伝え合い、修復も不可能であろう千切れた物語のベッドを片付ける。

｢燃えるゴミの日、いつだっけ｣

｢明日やで。一緒に捨てに行くかあ｣

明日、絶対に忘れないようにしよう。

片付けを終え、また私達は各々好きな本を読み出した。

元カノの小説

私の読んでるこの小説達が
あなたに破られる日が来ませんように。

この小説達のような
愛しい日々を2人で送ろう。