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〃 ページ18
ロボロをケージに入れ、私は今日もクジラを探し回る。
電車に乗り、見知らぬ街へ。
人々に聞いて回るが、誰ひとりクジラなんて見ていないと言う。
またバツが増えてしまったなあ、なんて考えながら海へきた。
ここは、あの日、ロボロが猫になってしまった場所。
水辺で2人寄り添って、話をしていたロボロが苦しみ出して、数分後には猫になってしまっていた。
それ以降、何となく避けていた場所。
だが、どこを探してもクジラの姿はなかった。
｢な、なあ、手…繋いでええ？｣
｢うん…ふふ、ロボロ、顔真っ赤｣
｢Aやって耳赤いやん！｣
思い出が、グルグルと頭を回って、鼻の奥がツンとした。
…もう諦めてしまった方が、楽なのかな。
そう思いながら、帰り、道すがらの河川敷に座りこむ。
ケージから出したロボロに話しかけていると、大きな影が私達を覆った。
こんな夕方に…何？
頭上を見れば、大きな虹色のクジラが、空を泳いでいた。
やっと、見つけた。
感動もつかの間、クジラは泳いで先へ進んでしまう。
そんなクジラが逃げてしまう前に、
私は目を瞑り、心の中で願いを唱えた。
シルク
空を飛ぶ虹色のクジラを見つければ、1人ひとつ、願いを叶えてくれるらしい。
俺は、人間に戻りたいと願った。
人間に戻った俺の膝の上には、1匹の猫がいた。
｢にゃー｣
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作者名：ビリヤニ | 作成日時：2024年1月18日 19時
